事業には、次の2つの構造があります。
1.受注型事業
①形態
取引先(買い手)の希望する値段と数量で仕事を受注し、生産・販売する事業形態
②長所
注文を受けてから生産するため、基本的に在庫を抱えて損をすることはなく、得意先を確保できればリピート注文が期待できるため、経営は安定する(例:印刷業、建設業、運輸業、下請事業、注文住宅など)。
③短所
仕事の数量も値段も顧客が決定するため、利幅が小さく、基本的に大儲けができない。
④ポイント
特定少数の取引先に対して売上を上げていくという性格(得意先が命)であり、いかにして顧客との信頼関係を築いていくことが売上を伸ばすポイントとなる。
2.見込型事業
①形態
数量を見込んで商品を生産(仕入)し、売り手の希望する値段で販売する事業形態
②長所
商品の数量も値段も自らが決定するため、見込が当たれば大儲けできる(例:出版業、小売業、飲食業、ホテル、建売住宅など)。
③短所
見込が外れることもあるので経営が不安定、売れなければ在庫が増大し大損をする。
④ポイント
顧客が不特定多数であり、売上を伸ばすためには、商品力の向上や商品の魅力アップが不可欠(商品が命)の要件となる。
※見込型は受注型の長所を、受注型は見込型の長所を取り入れることで、経営の安定と売上アップを図ることができる。
例えば、パン屋の場合、店舗でパンの販売をするだけでなく、学校から給食パンの注文をとる。
また、飲食店の場合、来店客を待つだけでなく、近隣の会社に営業を行い、宴会の注文をとる。
これらの例のように成長している企業には、見込型と受注型の長所を合わせ持つところが多い。